良いサイトは読みやすい文章づくりから
こんにちは。マーケティング・コミュニケーション部の倉知です。自社の広告宣伝活動やウェブサイトの管理・更新を担当しています。
ウェブ掲載用文章の執筆やチェックをする機会が多い私ですが、そういう作業をやっていると、「より適切な表記で、読みやすく書けるようになりたい」と思うようになりました。特にブレインウッズは翻訳会社という「言葉」を扱う会社ということもありまして…。
これまで漢字・送り仮名・カタカナ語・敬語・句読点・記号など表記法に迷うポイントはいろいろありましたが、それぞれ調べてみるとルールやガイドラインなど情報が出てきます。ライティング指南書や記者ハンドブックなどで他の人がどう書いているか見るのはなかなか面白く、参考になります。また企業や組織によっては、ウェブサイトや書類上の表記を統一する独自のガイドラインを定めており、一般に公開されたものを閲覧することが可能です。
読みやすく、誤解を与えないように書く方法に関して、私が参考にしている例や考えをいくつか紹介します。
漢字で書くか、ひらがなで書くか
例えば、補助動詞はひらがな表記にすることが一般的とされています(ひらがなが正しく漢字は間違いということではありません)。
補助動詞の例:
「試しに絵を描いてみた」
「会場までお越しください」
「資料を確認いたします」
動詞の例 :
「美術館で絵を見た」
「もう少しだけ時間を下さい」
「私の不徳の致すところです」
本来の意味で動詞として使う場合は漢字で書くのが推奨されています。短い文章ならばあまり気になりませんが、長い文章で漢字の比率が高いと読みづらくなってしまいます。
①「頂いたファイルを確認致します」
②「頂いたファイルを確認いたします」
また漢字が連続するとひとつの固まりとして認識しがちです。上の①では、「確認致」という固まりに見えてしまい、読みづらさの原因になります。②の書き方なら「確認」という語句がよりくっきり強調されて見えます。
以下の例も同様で、「~等」もひらがなで書くほうが推奨されることが多く、私も基本的にそれに従っています。
「英語や中国語等の通訳」
「英語や中国語などの通訳」
読みやすい文を書くうえで、私は漢字を無駄に連続させないことが大切だと感じています。
[ 分類 ] | [ 漢字 ] | [ ひらがな ] |
形式名詞 | 事 | こと |
形式名詞 | 方 | ほう |
接続詞 | 又は | または |
接続詞 | 然し | しかし |
接続詞 | 及び | および |
副詞 | 凡そ | およそ |
副詞 | 予め | あらかじめ |
品詞や使い方によって、漢字とひらがなを使い分けると読みやすくなります。
「翻訳および通訳業務」
「環境に多大な影響が及ぶ」
「私は絵を描くことが好きだ」
「事の重大さに気づいた」
カタカナでどう書くか
皆さんは下記の単語をカタカナでどう書いていますか?
interface →「インターフェース」「インターフェイス」「インタフェース」
printer →「プリンタ」「プリンター」
browser →「ブラウザ」「ブラウザー」
player →「プレイヤー」「プレーヤー」
nature →「ネイチャー」「ネーチャー」
conference →「カンファレンス」「コンファレンス」
smooth →「スムーズ」「スムース」
どれもよく使われる表記で、正解不正解はありません。こういったカタカナ語も企業や組織によってはルールを定めています。自分(自社)はどう書くか決めて、統一するのが良いでしょう。
検索ボリュームの多い表記で書く
ウェブのライティングでは適切かつ読みやすく書くことに加えて、SEOにも配慮した書き方が求められます。より多くの人が使用している表記を選ぶのも一つの方法です。
現在の検索エンジンは非常に賢く、多少の表記の違いがあっても類似キーワードとして認識してくれるようですが、書き方によって検索順位に違いはやはりあるようです。
括弧
なんとなく使っている括弧記号も、ライティングでは統一感を出すために、自分の中で使い分けルールを定めることがオススメです。
使用例:
[ 記号 ] | [ 種類 ] | [ 用途 ] |
() | 丸括弧 | 直前の内容の補足や言い換えを記す際に使用 |
「」 | 鉤括弧 | 引用、セリフ、参照先、語句の強調などに使用 |
『』 | 二重鉤括弧 | 文献、書籍、映画タイトルなどに使用 |
[] | 角括弧 | コンピューターやウェブサイトの操作でボタンを示す際に使用 |
レイアウトやフォントの調整も大事
読みやすい文章にするには、文字組みやレイアウトにも注意しなくてはなりません。日本語組版において、複数行の文章では行送りを150%以上にすると読みやすくなると言われます。CSSでいうところの「line-height」ですね。
①
ブレインウッズという社名は、優れた技能(brain)を持つ人の集まりを、森(woods)に見立てて付けたものです。世界の人と人を結ぶグローバルコミュニケーションカンパニーを目指し、翻訳・通訳をはじめとする言語サービスを必要とされるお取引先の企業・団体のサポートを行い、国際社会に貢献できるよう取り組んでいます。
②
ブレインウッズという社名は、優れた技能(brain)を持つ人の集まりを、森(woods)に見立てて付けたものです。世界の人と人を結ぶグローバルコミュニケーションカンパニーを目指し、翻訳・通訳をはじめとする言語サービスを必要とされるお取引先の企業・団体のサポートを行い、国際社会に貢献できるよう取り組んでいます。
上の①は「line-height: 1.4」なのに対して、②は「line-height: 1.8」にして「letter-spacing: 0.04em」を追加し、行間と左右アキをつくっています。これくらいが私の好みの設定なのですが、いかがでしょうか? 読みやすくなっていますか?
さて、自社のウェブサイトには数百ものページがありますが、過去さまざまな担当者が原稿を作成し、継ぎ足すように更新してきたので、書き方の差異や表記ゆれが残っています。中には何年もアップデートされていないページも存在します。
訪問者にとって読みやすいサイトになるように、私は文章とレイアウトの改善に取り組んでいきたいと思います。