Brainwoods Staff Blog

過去と未来と

こんにちは。京都支店の荻野です。

最近、コンビニで文春ムック「週刊文春 昭和の遺書 魂の記録」をつい買ってしまいました。表紙に紹介されているお名前、私の好きな著名人だらけでこら読まなあかんと。ふだん週刊文春と週刊新潮を買うためコンビニの雑誌書籍コーナーをじいっと目でなぞる習慣がついており、いつもと変わった本があったので足を止めてしまいました。

このムックの代表編集者の巻頭文の中に、コンビニで金言・名言をまとめた本がヒットし続けているという話がありました。コンビニにふらっと入ってカゴにまずビールと、金言・名言集だそうです。職場や人間関係、今の生き方について悩む自分を優しく支えてほしい、そんな本が支持されている理由ではないかという見立てでした。

仕事の帰り道は暗さと疲労感で、閉塞感もあるかもしれない。出来心に金言集というわけでしょうか。ある脳科学者の「心に効く~」みたいな金言集を立ち読みしましたが、当たり前すぎる内容に、こんなん買うやつおるんかいと思っていたら次の日その本なくなってました。売れたみたい。

ところで突然ですが、私の次女(小学2年)が作った詩を紹介します。

ありが
いすを作っている
うえの
えは
おにぎり

詩の頭文字をつなぐと「あいうえお」。国語の授業で作ったそうですが、いくつもぱぱっと思いついたのだそうです。

作者「働きアリはいつも女王さまのために頑張っているけど、座る椅子がないねん。椅子は女王さまにしかない。だから仲間のアリのために、いつもありがとう、っていうてな、椅子を女王さまに内緒で作ってんねん。このアリはおにぎりが大好きやから、その絵を見ながら頑張ってるねん」。

子どもの詩といえば、私の地元である兵庫県出身の作家・故灰谷健次郎は「子どもの持つ優しさと楽天性」を賛美していました。作家としての晩年の活動内容や私生活について賛否両論ある人ですが、この主張については首肯せざるを得ません。子どもたちがなぜあんなに明るいか、なぜあんなに元気にはしゃぐのか。それは良い未来を信じて疑わない力があるからだと思います。この力が大きい子どもは、きっと目の前の困難も乗り越えるのでしょう。素晴らしい力です。

子どもの楽天性に触れる時、ふっと肩の力が抜けます。思わず声に出して笑ってしまう。頭の中にいっぱい雲が浮かんでそうだけど、それもまたよし。今あるこの優しさと楽天性を大切にしてほしいと強く願いつつ、コーヒー片手に「昭和の遺書」を読む、読書の秋でした。

(写真は、次女の幼稚園時代に作った絵本の一場面です)