AI翻訳・ポストエディット(MTPE)サービス

AI翻訳の出力をビジネスで活用するためには、精度・整合性・情報管理の各面で信頼性が求められます。
ブレインウッズのMTPE(Machine Translation Post-Editing)サービスは、短納期・コスト効率・品質担保のバランスに優れた翻訳ソリューションとして、多くの企業様にご利用いただいております。

  • 短納期:大量文書にも迅速かつ柔軟に対応
  • 低コスト:人手翻訳と比較してコスト削減が可能
  • ビジネス品質:専門分野に精通したポストエディターによる高品質仕上げ
ポストエディット(MTPE)とは

ポストエディット(MTPE)とは、AIやLLM(大規模言語モデル)によって生成された翻訳結果を人手で精査・修正する工程です。

AI翻訳のスピードとコストメリットを活かしながら、人によるチェック・修正を加えることで、ビジネス利用に求められる精度と安定性を担保します。

なぜ「AI翻訳 × 人の編集」なのか

AI翻訳のリスクと限界

AI翻訳は進化を続けていますが、業務文書や社外文書にそのまま使用するにはいくつかの注意点があります。以下は、当社がとくに重要視しているリスクです。

文脈理解が不完全

AIは、文脈を完全に理解しているわけではありません。
前後の関係性や暗黙の意味、対象読者の意図に沿った表現選択ができないケースがあります。

用語・表現の不統一

同じ単語が文中で異なる訳語に変わってしまう、あるいは専門用語の扱いが一貫しないという現象がしばしば発生します。
これは社内文書の整合性や、外部との認識のずれを引き起こすリスクがあります。

専門性・業界知識の欠如

AIは一般的な知識に強い一方で、業界特有の制度、用語、規制文脈などには対応しきれないケースがあります。
特に法務・医療・金融・製造などの分野では、誤訳による誤解・事故のリスクが大きくなります。

ハルシネーション(事実と異なる情報の生成)

AI翻訳やLLMに特有の問題として、原文に存在しない内容をさも実際にあるかのように自然な文体で生成してしまう現象があります。
これは「読みやすいが間違っている」という性質を持つため、見落としや誤信を招きやすく、非常に注意が必要です。

AI翻訳の壁を超える品質体制
  • 分野ごとに精通したプロのエディターによる修正
  • 翻訳支援ツールの翻訳メモリ(TM)の蓄積や用語集機能による用語統一
  • 原文の内容や利用用途に合ったAI翻訳エンジンの選定
  • 納品前のQAチェックによる最終的な品質保証

翻訳例

青字:主な修正点

①原文 ②自動翻訳出力 ③ポストエディット後
“Approved Sources”
means sources from the Franchisor or the Distributor or other designated sources approved by the Franchisor in writing.
"承認されたソース"
フランチャイザーまたは販売代理店からの情報源、またはフランチャイザーが書面で承認する他の指定情報源を意味する。
承認供給元
フランチャイザーもしくは販売代理店からの供給元、またはフランチャイザーが書面で承認する他の指定供給元をいう。
“Average Monthly Purchase”
means an amount equal to fifty percent (50%) of the Operator’s average monthly purchase of Materials from the Franchisor and the distributor, the details of which is stated in Clause 20.3 below.
"平均月間購入量"
フランチャイザーおよび販売代理店からの事業者の月間平均資料購入量の50%(50%)に相当する金額を意味し、その詳細は下記第20.3条に記載されている。
「月間平均購入額」
フランチャイザーおよび販売代理店からオペレーターが購入する月間平均資材購入額の50%に相当する金額をいい、その詳細は下記第20条3項に記載される。
“Business”
means the franchise business of hamburger restaurant.
"事業"
ハンバーガーレストランのフランチャイズ事業を意味する。
本事業
ハンバーガーショップのフランチャイズ事業をいう。
“Commencement Date”
means the date of commencement of this Agreement.
"開始日"
本契約の開始日を意味する。
契約開始日」
本契約の開始日をいう。

導入によるビジネス効果

ポストエディット(MTPE)は、以下のような実用的な効果をもたらします。

  • コスト最適化
    AI翻訳をベースにすることで、初期出力が迅速に得られ、ポストエディットを含めても従来の人手翻訳よりも効率的かつスピーディーな納品が可能です。特急案件や段階的な納品(ドラフト→本納品)にも柔軟に対応できます。
  • 納期短縮
    翻訳工程の短縮により、製品リリースやIR資料の公開を迅速化。言語対応の遅れによる機会損失を防ぎ、グローバル市場での先行優位を実現します。
  • 市場投入スピードの向上
    製品やサービスの多言語展開、IR情報の発信、ウェブサイト更新など、多くの媒体で翻訳が発生します。言語面での遅延は市場機会の逸失に直結しかねません。MTPEを活用することで、翻訳工程全体を短縮し、社内工程を加速化させます。
  • 社内リソースの有効活用
    社内で翻訳の確認・修正に多くの時間が取られている企業にとって、当社のMTPEサービスはレビュー負荷の大幅な軽減策となります。

仕上げレベルとチェック範囲の比較

「ライトなポストエディット、しっかりめのポストエディット、どちらを選べばいいかわからない」
そんな声にお応えして、各仕上げレベルの特徴とチェック範囲を整理しました。
用途やご予算に応じて最適な選択ができるよう、ご参考にしてください。

項目 ライト フル
誤字・脱字
数値・固有名詞の整合
用語統一・専門用語の精度
文体・トーンの統一
法務・技術表現の正確性
対外用途対応
  • あくまで参考例です。ご希望や用途に応じてカスタマイズ可能です。
  • ポストエディットは人手翻訳と完全同等の品質を保証するものではありません。

ワークフロー(編集プロセス)

  1. プレエディット
    参考資料・用語集整備・原稿調整
  2. AI翻訳エンジン選定 → 自動翻訳出力
  3. ポストエディット
  4. 校正者によるチェック
    ※「ライト」では省略される場合もあります
  5. 納品

このように、単なるチェック作業にとどまらず、事前準備から最終品質保証に至るまで、段階的に品質を担保するワークフローを構築しています。

また、このワークフローを高品質に運用するため、当社では次のような体制を整えています。

  • 編集は、当社の登録審査を通過したポストエディターが担当
  • 用語管理ツールと翻訳メモリにより用語の整合性と効率性を両立
  • プロジェクトごとに専門コーディネーターが品質と納期を管理

対応文書・分野・言語

対応文書例

  • 社内報告書・業務マニュアル
  • 契約書・法的書類
  • Webコンテンツ
  • IR資料や社外報告書

※その他対応文書については利用用途をご覧ください。

対応分野

  • 法務
  • 工業
  • IT・通信
  • 金融
  • 医療
  • ほか

※その他対応分野については対応分野をご覧ください。

対応言語

  • 日本語 ⇔ 英語
  • 中国語(繁体・簡体)

※その他言語についても対応可能(要相談)

品質保証・情報セキュリティ

翻訳は、単に言語を置き換える作業ではなく、企業の信頼や意思決定に直結する情報資産の取扱いでもあります。
ブレインウッズでは、国際規格に準拠した翻訳品質の保証体制と、情報セキュリティに対する厳格な方針を構築しています。

国際規格 ISO 17100 に準拠した品質管理体制

ISO 17100とは、翻訳サービスの品質とプロセス管理に関する国際規格です。
当社ではこの規格に基づき、以下の項目を組織的に管理しています:

  • 翻訳者・編集者の資格要件(翻訳教育・業務経験など)
  • 二重チェック体制:翻訳とレビューを別の担当者が実施
  • 工程管理:案件受付から納品後の対応まで一貫したプロセス設計
  • 顧客対応履歴の文書化と再発防止策の運用

特に海外展開における対外提出文書では、品質の「一貫性」や「説明責任」が求められる場面が多く、ISO 17100準拠はその前提条件の一つと捉えています。

ISO 17100については国際翻訳規格「ISO17100」を取得をご覧ください。

機密保持と情報セキュリティの管理体制

翻訳業務には、未公開の製品情報・契約情報・IR情報・法的文書など、高度な機密性を要する文書が多く含まれます。
当社では、情報の取り扱いに関して以下の通り厳格な体制を構築しています。

  • 情報セキュリティガイドラインの策定と全社周知
  • クラウドストレージ/AI翻訳エンジン等の選定におけるセキュリティ評価の実施
  • 登録翻訳者・編集者との個別NDA(秘密保持契約)の締結
  • 社外とのデータ授受において限定共有設定を使用

また、生成AIの活用に際しても、商用利用におけるガイドラインを社内で整備済みであり、不要な学習リスクや外部送信リスクの排除に努めています。

よくある質問(FAQ)

人手翻訳との違いは?

コストと納期面でメリットがあります。ライトなポストエディットは、社内文書やドラフト作成に最適です。尚顧客や取引先に提出する文書や、正式な公開文書には、MTPEでもフルポストエディットを推奨します。

ハルシネーション(誤情報)は防げますか?

AIやLLMによるハルシネーションを確実に防ぐことはできません。そのため、経験豊富なエディターによるチェックとQA体制で、誤情報、誤訳を検出し品質向上を徹底しています。

情報漏洩の心配は?

社内規程に基づく情報管理を徹底しており、必要に応じて個別の機密保持契約(NDA)も締結可能です。

特急対応も可能?

ご希望に応じて初稿の早期納品(ドラフト対応)など柔軟に対応可能です。
通常は全工程を完了したうえで最終納品を行いますが、初期段階の出力(ドラフト)を一度納品し、その後品質確認(QA)を経て最終版を納品する「二段階納品」にも対応しています。これは「まず大まかな内容を早めに把握したい」「社内での確認を早く進めたいが、最終版は正確に仕上げてほしい」といったニーズに適した納品オプションです。

TO PAGETOP